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テコリーヌに侵略されて始まったアトリエ丹歩歩の初売りとテコリーヌ展、そして暴走し続けるヴィーナスの進化。


アトリエの庭から見える中央アルプスがとても美しいお正月。


偶然にも虹っぽい光が映りこんだ写真に「吉兆かしら!」とルンルンしてしまう可愛いヒロコさん。ブログの中でヒロコさん本人の写真が登場するのはこれが初めてですね。こうして空を眺める横顔にもやっぱり癒されます。


美しい景色と癒し顔のヒロコさん、そして革ジャンとジーパンにチェーンをジャラつかせる全く爽やかではないテコリーヌが揃っていよいよ展示会がスタートしました。

が、最初の3日間を飛ばし過ぎて息切れ寸前のテコリーヌ…
かたやヒロコさんはこのあと12日からの3日間、出展のために東京ビッグサイトへ。年2回全国の骨董商約500ディーラーと修理士等が集まる日本最大級の骨董イベント「骨董ジャンボリー」に出展するのです。なんてパワフルな人なんでしょう!そして何故、創作服の作家であるヒロコさんが骨董市に?
その答えのヒントになるものが、実は今回展示しているヴィーナスにも使われているんです。

鎖ドレスの下にまとわせたこの衣装ですが



この部分の素材。何だと思います? これ、酒袋なんです。酒を作る時にもろみを入れて絞るのに用いる袋です。へぇ…と、それなりに感心したアナタ、実はその先が深いんですよ (って偉そうに言う私も知らなかったんですが)
酒袋と言っても今は圧搾機が普及しているためお手製の袋で酒を絞る酒蔵は少なく、たとえあっても事前にお願いでもしなければ当然普通に捨てられていくものなんだそうです。ある人にはただのゴミ。でもある人には貴重なお宝。まさに骨董の世界ですよね。
そういった古布をヒロコさんは作品として甦らせる仕事もしているんです。
だから、今回ヴィーナスに使われている生地のこのボロ加減は演出の為に作り込んだものではありません。昔の杜氏さん達が破れを繕った跡も、使い古されて自然にくすんだ色もそのまんま。触れば一瞬で朽ちて粉になる箇所もあります。

それから、マントの様に羽織っている部分の生地は、蚊帳として使われていたものを柿渋で染めた生地なんだそうです。

これらの酒袋と蚊帳は、ヒロコさんがいつか何かに活かしたい!と思って長年大切に保管していたのだそうです。まさかそんな大切な古布を用いてこうも見事にテコリーヌの世界観を表現してくれていたとは驚きました。だって打ち合わせの時にはそんなのひと言も聞かされてなかったんですから。テコリーヌがこれを見たのは展示会が始まる前々日ですよ。背景のパネルや足元の朽ちた木片などの演出もそうですし、アトリエの正面に持って来たバイクと言い、気合い入ってますね。いつか必ずやってみたかったというこれまでの丹歩歩とは全く違う世界への挑戦にワクワクが止まらない様子のヒロコさん。乗っ取るはずのテコリーヌは勢いを増さないとまずい状況です。ってことで、そこから展示会が始まってもなおテコリーヌとヒロコさんの暴走は止まることなく続きます。そして現在の仕上がった姿がこちらです。


血糊の付いた斧ベースは国王の作品。


これは以前からテコリーヌを知る人には言わずと知れた我が国の御神体。けれど丹歩歩のお客さん達にとっては想像を超えた禍々しさになるでしょう。それに、乗っ取ると宣言したからにはやっぱりこれが欠かせないだろう。という国王の意見と許可のもと、3日目に持ち込みました。

そういえば初日に地方紙の新聞社が取材に来まして、当然メインオブジェとなるヴィーナスの写真も撮っていましたが、あの時はまだまだおとなしい姫様でした。今のこの勇ましい出で立ちではないんだなぁと思うとちょっと残念(笑)

ミニチュアドレスのコラボをしたブライス人形にも仲間が増えてきてますし。
まあ、そんな感じで開催中は何か思いつくたびにちょっといじっては変化していくんじゃないかと思います。

そして肝心のお客さん達の反応はと言いますと…

好評です!
丹歩歩の初売りを目当てに訪れる人、事前告知の「乗っ取られる」が気になって訪れる人、皆さんそれぞれにアトリエ空間の激変ぶりに驚き楽しんでくださってました。

普段イベントで出品する作品達も有難いことに好評です。丹歩歩の常連さんはヒロコさんの作る服を愛用する人達なわけですから、当たり前ですがお洒落好き。皆さん自分に似合う色やスタイルを良く分かっていて迷いがないです。スカーフや帽子などの服飾小物をセンス良く使いこなす人も多いためか、今のところブローチやスカーフ留めが人気です。最近あまり増やしていないアイテムだけに、なんかそこのスペースがさみしくなりそうな予感が…。あくまで予感ですがね。期間中に作って増やしていきます。

それからテコリーヌのお客さんも足を運んでくれましたよ。可愛い未満児の我が子を連れて訪れてくれた友人も何人かいましたが、いつの時代も女の子はやっぱりお人形が大好きなんですね。おうちにあるリカちゃんとは違う初めて見るブライス人形に釘付けになってしまい、見たらもう欲しくて欲しくてたまらない。 帰り際にはママにその場から引き剥がされるように抱きかかえられギャン泣きしながら帰って行くというちょっと切ない場面も…。M尾さん、子供には見せてはいけないものを飾ってしまった私を許してください(笑)

さて、テコリーヌの次の在廊予定日は13日(土)10時~18時です。そして展示会の場所と営業日時を改めてご案内しますね。

  【場所】 
アトリエ丹歩歩(たんぽぽ)
長野県駒ヶ根市南田5-2 

    【電話】
0265-82-3027

  【営業日時】
木・金・土 /10時~18時

月・火・水 はヒロコさんがアトリエで仕事をしていますので、営業日以外にお越しになりたい人にも対応してくださいます。ヒロコさん不在の日もありますので、ご希望の方は事前に丹歩歩にお問い合わせくださいね。
日が暮れてからのアトリエはライトアップが抜群に映えて、本当に雰囲気あります。好みの雰囲気の時間帯を狙って来て頂くのも良いかも知れませんね。