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伝説のクリマ再び。そしてまた新たな伝説が始まるかどうかは自分次第。


1年半ぶりのポートメッセなごや。深夜1時に到着すると既に数十台の車の列が出来ており、クリマのスタッフの誘導で最後尾につく。真夜中から夜通し動き回って頑張っておられるスタッフさん達、本当にお疲れ様です。




順番待ちをしながら蒸し暑さと大量の蚊の攻撃と興奮とでほとんど睡眠をとることなく朝を迎え、そのまま搬入、ブース設営へ。今回は2メートル四方のスペースで両隣に挟まれているという、室内展示では一般的なロケーションです。



こんな感じ。でも2m×2mなんて、いつも野外イベントでやっているテコリーヌにしてみたら本当に狭いんです。だから家では事前にシュミレーションをしてきてたんですよ。ほら。


ほぼ計画通りの設置になりましたね。予行演習って本当に大事です。そのお陰でスムーズに準備が出来て、イベント開始までの自由時間もかなり満喫出来ました。2時間以上は余裕があったと思うんですが、だったら少しでも仮眠をとるなりすれば良いのに、もう気持ちも行動もそれどころでは無いのです(笑)先ずは今回のクリマでメインビジュアルを務める、我らがjuconの特設ブースへ!けれども準備の邪魔をしてはいけないので この時は少しブースを見させてもらうだけにして、比較的余裕のある2日目の朝の準備中に撮影をさせてもらいました。


これが入り口正面の特設ブースです。クリマに出展する多くのクリエーター達の夢の場所とも言えますが、その反面、私にとってはそこにあるのが興味の無いジャンルや作品ならば見もしない素通りポイントです。だからこの場所に足をとめるのは初めて。


今回ばかりは国王でさえも、ひざまずく。



私も記念撮影。

クリマのパンフレットやチケット等、全ての関連物に印刷されていた七夕クジラの実物も見れました。


でも数ある魅力的な作品達の中で私がいちばん心を奪われた作品はこのメカクジラ。



そしてjuconさんからクリマ限定のプレゼント、七夕クジラの缶バッジを頂きました。やった~!

これを貰うには合言葉があるんですが、国王は「七夕おかめ」と言い(何故おかめなのかは不明)、juconブログでちゃんと予習して覚えて来た私は「七夕くじら!」と叫びました。それなのに国王にも私にも分け隔てなくくださった いつになく優しいjuconさん。ありがとうございます!

それから、あのジャンク郎さん(今回は出展者としてクリマに参加)に改めてご挨拶。改めてというのは、既に朝いちの搬入時に見かけた瞬間にすかさず声をかけていたから。前回のクリマの時はお話出来ただけで舞い上がって浮ついていたテコリーヌですが、今回は....やっぱり嬉しくて興奮することだけは変わらず(笑)そしてこちらも落ち着いたタイミングで撮影させてもらいました。


新作のオブジェです。

見ていたら何かふつふつと、切ない感情が込み上げてきました。ジャンク郎さんの作品への思いは聞かなかったので分からないしそんな切ない気持ちになるなんて私だけかもしれませんが、ただ、どんな気持ちになろうと、見た人の心を動かす大きな力があるというのは真実で、その存在と訴えが圧倒的なんです。確たるアートなんです。説明なんかなくても見た瞬間に何かを受け取り感情が生まれるなんて、そんな出来事自体にも震えましたし、やっぱり私はジャンク郎さんの感性が好きなんだ!と実感します。





こうして私の中の2大巨匠への挨拶訪問も出来ました。それに親しい作家さん達や知り合いとの嬉しい交流もたくさん。先月の杜の市で迷子になっていた備前焼の高木くん。テコリーヌ王国御用達のフライパンを作っているメタルアートファクトリーの柏原夫妻。私が大阪のオッチャンと呼んで慕っている時計の仁(じん)さん。硝子のイマジンのイケてるオジサマ。無派師匠との抱きつき合戦のライバル、服飾作家のあさこさん。皆さん挨拶に来てくださってありがとうございます!そして初日の夜に同じホテルで飲み明かした木工作家のやすさんと奥様のさつきさん。オレパンダー先生の奥様。テコリーヌ王国お抱えの絵師クボヅカ君。クリマは意外と知ってる人が多かったので忘れてる人(いたらゴメンなさい)や挨
拶出来なかった人も、皆様ありがとうございます!

こんな感じなので、まだ2回目の出展のイベントだというのに何故だか「ただいま~」と言いたくなる様な気持ちで安心して過ごせた2日間なのでした。


安心といえば、テコリーヌの親衛隊である愛知の3人娘と、OKコンビことO本さんとKちゃんの2人、juconさんのお客さんでテコリーヌの親衛隊でもあるN根さん、真鍮の造形作家であるファクス金属加工の加藤氏、ジャンク郎さん繋がりでInstagramで知り合ったマスクアーティストのシバタアツシ氏、Twitterで会いに来てくれる宣言していたデザフェスで出会った青年など、出展者以外にも行く前からこんなにたくさん知ってる人が来てくれると言ってくれたことは大きな励みでしたから、MMH(メチャメチャヒマ)だったらどうしようという不安など0.1ミクロンもありませんでした。

そうそう、愛知3人娘の皆さんには事前にチケットを送付してありました。きっと朝一で突進して来るだろうと思い、両手を広げてドンと受け止める構えだったのですが.....予想通りだったのは朝一で来たということだけ。なんと、3人娘がいつの間にか4人娘になっていて4人で突進して来たんです。Iさん、Tさん、Kさんの3人に加わった4人目の新人さんはT本さん。で、その4人娘は翌日も来て、結局まるまる2日間、開幕から閉幕までクリマを完全攻略して行ったのでした。2日間ともテコリーヌのブースをスタート地点にして、帰る時には帰りの挨拶。なんという忠誠心とパワー(笑)更に予習、復習をして狙っていたものを購入しただけでなく、そこに無いものをオーダーしていくIさん。欲しい衝動を抑えきれない様子
の親衛隊に、今回はテコリーヌの方から買い控えのお願いをするほどでした。最後まで笑い声の絶えないテコリーヌ王国のブースにしてくれた親衛隊の皆さん、ありがとう!! 写真を載せる時は世間に顔向け出来ない女達バージョンにするのがお約束なのでモザイク入れましたが、それでも誰もが本当に楽しそうな笑顔だと思いませんか?


記念撮影をさせて頂いた方々は他にも。


テコリーヌのブースに足を運んでくれたジャンク郎さんとのツーショット。お互いのブースが会場内でも最長クラスに離れていたのにも関わらず、スチームパンク界の関係者を紹介する為に足を運んでくださったり、本当にありがとうございました。今回はちょっと踏み込んだ話もしました。まだ確定ではないので発表はしませんが打ち合わせに近い話です。それにしても地下足袋っていうところがカッコイイですよね。



ファクス金属加工の加藤さん。チュッパチャプスホルダーを発表した当初、ポップとハードコアの融合という表現で褒めてくださったのがこの加藤さんでした。凄く嬉しかったんです。今回は更にそれを購入して貰えた事で益々自信を持てました。そして露出度全く高くないのに不思議なほどエロス全開の美しさを持つ奥様は彼のセンスそのものだと感じます。


チュッパチャプスホルダーを即決で購入し、それをなんと、ピアスにしてしまうS浦さん。はじめまして!そこまでパンクなアイデアは私にはありませんでしたよ。こんな「やられた感」は初めてです。名古屋人凄い!しかも翌日には友人を派遣してまでガマグチとストラップをセットで購入するほどテコリーヌを気に入ってくださるとは。代理で購入しに来たHさんにも感謝!


こちらは通りすがりの名古屋の外人 Pierce Panicさん。クリエーターでありミュージシャンであり、ジャンク郎さんととても親しい人物とのこと。刺激をありがとう!!

撮影してない方々は次に会った時に是非いかがでしょうか?希望者にはモザイク処理を致しますので(笑)
そして撮影はしなかったけれど嬉しい再会や出会いを果たした中でも特に嬉しかった人達は.....

●マスクアーティストのシバタアツシさん。2年前くらいにジャンク郎さんと企画展をされていたのを知って以来、ずっと気になっていました。最近、松本市に訪れるとTwitterで仰っていたのでその時に勇気を出して初めてコメントをしました。その後に発展した会話がザザ虫(伊那市の食虫文化です)を購入出来るところの案内という(笑)実際に伊那市にまで来てそこでザザ虫を購入してくれたというのに、こちらの都合が悪くて会えなかったので、なんだかリベンジを果たせたように嬉しかったです。ヌーっと現れたのが彼らしくて素敵でした。

●N根さん。初めて知り合ったのは前回のクリマ出展の時でしたね。juconさんがきっかけでした。そのjuconさんの応援スタッフとして今回はお客さんやファンとしてではなく搬入から搬出までずっと動いていたN根さん、お疲れ様でした!開幕前にちゃっかりテコリーヌの作品をチェックして誰よりも早く欲しいものゲットしたことは内緒にしときますね(笑)

●おなじみのOKコンビ。今回は他の作家さんのブースで欲しいものがあるからテコリーヌでお買い物出来ない、なんて正直に言っちゃうところがこの2人の凄いところです。なかなか言えないことをあっけらかんと言えて、こちらも気持ちよくそれを受け入れられるって、そんな関係を築けるって、とても素敵なことだと思います。O本さん、juconさんの合言葉は「変態jucon」ですって?! 私もそう思います(笑)Kちゃん、夜のおやつをありがとう!

●デザフェスで私が着ていたKISSのTシャツに反応して声をかけてくれたK君。クリマにも来てくれて感激しましたが、まさか君が同じ長野県の南信地域の人だったなんて!会える距離の人だったなんてね!そしてお友達のT君の冷めたキャラクターと爽やかスマイルがツボでした。2人でお揃いのペットボトルホルダーをご購入くださりありがとうございました!

●デザフェスで出会った静岡3人組のうちのひとり、N村君。いつの間にかTwitterでテコリーヌをフォローしていたこと、こっそり過ぎて全くわかりませんでした。とてもシャイな感じの人柄でしたが、ひとりででもテコリーヌを訪ねてくれて本当に嬉しかったです。サンキャッチャーを選んでくれたところも繊細な彼らしいなと思いました。作家としてイベントデビューすること、応援してます!

●番外編としてオレパンダー先生。実は会えませんでした。タイミングが合わなくて何度行っても会えず、でも気に入ったグッズをゲット出来たのは何よりでした。たった一度の人生、棒に振ってみないか。この言葉の深さを改めて奥様の口から伺えたことにも満足。ありがとうございました!

クリマは、東京のデザフェスと肩を並べるイベント(関東のデザフェス、東海のクリマ)という印象でしたが、こうして一般ブースでの出展を終えてみると、デザフェスとクリマはそれぞれ全く違うものであると感じます。地域性もあるのでしょうけど、イベントを作り上げてきた運営側や作家達、それにお客さん達の意識とか風潮の違い。アートやパフォーマンスにかける人々の情熱に関しては圧倒的に東京が熱いです。人とのご縁や交流の濃密さ、仲間意識、そんなアットホームさでは名古屋でしょう。お客さんの反応やマナーも全く違いました。あくまで個人の感想です。

それからもうひとつ感じたこと。それは、普段クラフト作家として野外イベント中心に活動している先輩のベテラン作家さん達の凄さ。室内のアートイベントででも、室内専門であろう若手作家達とは比べ物にならないほどの落ち着きと余裕を感じます。搬入、搬出の時の桁違いなほどの手際の良い速さと言い、接客の上手さと言いイベント中の楽しみ方と言い、ただただ感服します。テコリーヌもそう余裕が無いわけじゃないんですが、それは室内とは色々な面で違う野外クラフトで、フィジカルとメンタルそれぞれに鍛えてきた部分に支えられているからではないかと、そんなことにも気づいたのでした。以前は室内のアートイベントに出展などと言うとちょっと背伸びしてちょっとカッコつけて、自分を過大評価したくなるものでした。でも今は自然体で等身大のテコリーヌを見せたいと思うんです。もうカッコつける必要も背伸びする必要も無くなりました。自信が追いついてきたことの証なのでしょう。私の心の師匠、無派工房のおじさんに言われて意識し続けていた事のひとつが、野外クラフトはド素人の世界であり、ものづくりの世界でも最も底辺なところであって、それでも作家としてそこにいるならその世界で飛び抜けて突き抜けた存在になれ。ということです。なんの考えも持たずにがむしゃらにやっていた頃からその思いを持って続けて来ましたが、今になってようやくそのことが活きてきました。どんな学びよりも、今まで重ねて来た努力と経験がいちばん自分を強くしてくれるのだと実感出来ます。と言っても無派さんも言う様に私なんか野外クラフトの世界でもまだまだです。だからこそ今後もしばらくは野外、室内共に活動をしていきながら、なりたい自分に更に近づく修業を続けます。

さて、次の出展はこれまた室内のアートイベント!信州ハンドクラフトフェスタ。今回のクリマでは直前まで髪振り乱して作った大きい方のガマグチがなんと完売してしまったので、あと2週間でどれだけ出来るか分かりませんが、また髪振り乱します。あと、このイベントにも知り合いが何人か出展するようです。分かっている中でも実力者を挙げますと、①レザー作家のハナブサレザー(1日のみ) ②テコリーヌ王国お抱え絵師のクボヅカ君 ③盟友リッチー  それぞれに変態の猛者ですから何も怖くありません。テコリーヌも安心して自然体で楽しもうと思います!