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流木と松ぼっくり。キラキラビーズに羊毛フェルトにハーバリウム。なんかそんな感じのハンドメイド勢に完膚なきまでに打ちのめされたテコリーヌが本当に負けた相手。それは自分のヘタレな心。そしてそのどん底から強烈に引っ張り上げてくれた訪問者達のパワー。



横浜市内を車、バス、電車、タクシー、足 ( 徒歩 )と、あらゆる手段を駆使してそれはそれは華麗な移動を成し遂げた話とか、愉快な中国人家族のお店で本場の中華料理を堪能した話とか、困っていたテコリーヌに道案内をしてくれたイケてる都会人風の若者達が実は同じイベントの出展者だった話とか、帰りのサービスエリアで急いで買ったお土産が信州土産だった話とか、番外編だけでも書ききれない程のエピソードに溢れたヨコハマ遠征の2日間。

上記の番外編は割愛しますが、皆様の想像や妄想で脳内補完をして楽しんで頂けたらと思います(笑)


まず今回のダンジョン ( ヨコハマハンドメイドマルシェ。以下、ヨコハマ ) での戦いの前に、搬入などの案内がイマイチだったのでヨコハマ経験者の jucon さんに事前にそこらへんを尋ねてみました。ところが「ヨコハマは無秩序だよ。適当にやるしかないよ。」って…。juconさんも初めての時は戸惑ったんですね。ブログにも綴ってありました。



実際会場に着いてみると確かに無秩序。本当にここでいいのか?とちょっとマヌケな顔でウロウロする国王。


けれど、このあとすぐにjuconさんと行き会えたお陰で助かりました。搬入待ちの間、喫煙場所で知り合った女の子達も親切に色々教えてくれてありがとう!

そしていざ搬入→朝ごはん→セッティング。戦いの準備を進めます。






都会の大規模なイベントでチケット制ともなるとやっぱり違いますね。開幕前から行列!開幕したらしたで、なだれ込む人々!


これじゃ自分のブースに近付けない(笑)あら~。なんて言ってるうちに、人垣がテコリーヌのブースを境にみるみる割れて行きます。まあそうですよね。ここは手芸好きの楽園、ハンドメイドマルシェ。

2日間ずっとこんな感じ。ずーっとです。仲間のクラフト勢の皆さんもほとんど同じ状況を味わっていました。あーあ、テコリーヌの場所、売れない場所だねそこは!なんて悪態ついたjuconさんはもちろん、凹み過ぎて途中で海を見に行っちゃったイマジンのアキラさん、行き場を失い青ざめた顔で会場を5周も6周も彷徨っていた水滸の月さん、何度も暇つぶしに来ていたムーンチャイルドさん、挨拶しに行ったら何故か北海道の話を延々としだす愛知のカワセミ工房さん、様子は分からなかったけど帰りの顔に全く表情が無かったミッツムッツさん。皆さんクラフト界では言わずと知れた、名だたるベテラン作家ですよ。

ムーンチャイルドさんとは初めての記念撮影


この様にハンドメイド界とクラフト界の違いをハッキリと思い知らされました。と同時に、本当に居るとは思ってなかったハンドメイド界における本物の売れっ子作家さんというものを初めて目の当たりにしました。しかもそれがテコリーヌの右隣のおばさまだったなんて、もう何の罰ゲームでしょうか。そのお隣さん、朝のセッティングでは黙って黙々と流木や松ぼっくりを並べたりしていて、一見するとほっこり優しいお母さん風の女性です。ああ、きっと自然テイスト溢れる手作り品をひとつひとつ心を込めて作って来たのですね。たくさんの人に笑顔になって貰えたらいいですよね。いっぱい売れるといいですね。そう思っていたんですよ私は。その女性がまさかの超有名売れっ子作家さんだったわけなんです。

押し寄せるお客さんに対して穏やかに接客しながらの手際良い手さばきに加え、テコリーヌのブースにまで容赦なくなだれ込んでくるお客さんに対してまでも優しい言葉で注意を促し秩序を整える。恐ろしいほど手慣れているプロでした。それにファンだけじゃなく、初めてその作品を見るお客さんをも強力に魅了させ即決で買わせてしまうという実力。もうね、ひれ伏すしかないですよこんなの見せつけられたら。そういえば誰かに言われました。この女性はイベントによっては100万単位の売上を叩き出す人で、この人の隣になった作家は例外なく砕け散ると。テコリーヌさんがどうこうじゃなくて、ただただ不運なだけです。って、そんな情報言われなくても隣でこれをずっと見てたら分かるわ!


だけど私は思うのです。この場所に勝ち負けも良いも悪いも正解も不正解も無い。この世界にはこの世界の価値があって、自分にとっての正解では無いというだけのこと。不正解だったのはこのイベントに来てしまったということ。私には、そう多くは無いながらも自分を信じるに足るだけの経験の積み重ねがあります。その自信があればこそ、砕け散ってたまるか。そんなことで散る作家ならそこでさっさと淘汰されて消えれば良い。そう思っていたので、いつものように堂々としていたんですけど、国王が言うんです。おい!顔、死んだ顔するなよバカ!

だって、やっぱり凹むことは凹みますよそりゃ…。

はい笑って笑って!

引きつってる(笑)

そしてタイトルの通り、こんなテコリーヌを後に万遍の笑みにしてくれたのは訪問者のパワーです。それはそれは力強い7人の勇者達!

先ずは地元マダムのmorihanaさん。この会場で何故テコリーヌに足を留めたのかが謎なほどにマルシェ感たっぷりなお洒落で可愛いらしい女性です。なんだかじっくり楽しそうに見てくださるし、久々にクラフト市のその感覚と接客を思い出すテコリーヌ。するとmorihanaさん「 息子がこういう感じの作品が好きそうなので後で連れて来ますね。今は体験ブースでシルバーアクセサリーを作っているんです。終わったらまた来ます。」と言って去って行きました。

ああ、よくあるパターンだこれ。うちの息子が好きそう!って言われるやつ。ちょっと電話して呼び出して見るとか言ってその場を離れて二度と来ないパターン。私ゃ知ってますよ。

と、こうも卑屈になっていたのですよその時のテコリーヌは。そして本当に息子の健太君を連れて戻って来たmorihanaさんを見て、すっかり心根の腐った自分を激しく恥じました。本当にごめんなさい。テコリーヌが長野県から来たというだけで感動してくれるほど長野愛に溢れたmorihanaさん親子。テコリーヌを見つけてくれて本当にありがとう!健太君、そのキーホルダーは間違いなくmade in 長野ですよ。こんな素敵なご縁に私の方こそ感動しました。これからも応援してくださいね。もっともっとカッコイイもの作ってみせます!

これがヨコハマでのテコリーヌの最高潮。青い服の彼が、母のmorihanaさんと一緒に興奮気味にワクワクと作品を選んでくれている健太君。左に写っているリュックの彼は、この2人の勇者との交流を優しく見守りながら紳士な振る舞いで出番待ちをしていた次の勇者、イオコトさん。

イオコトさんは5月のデザフェスで出会ったスチームパンカーです。なんと、テコリーヌの為だけに来たと言います。奇跡が起きました!聞けば Twitterでテコリーヌの出展情報を得たと言います。だから奇跡ではないのでしょうが、フォローしてくださってたことすら知らなかった私にとってはそれも含めて再会出来た事がもう奇跡なのです。イオコトさんはデザフェスの時から気になっていたというチュッパチャプスホルダーをゲット。あの時の初期モデルとは違うけど、2018秋冬モデルもまた素敵でしょう?これで益々レベルupですね!イオコトさん、あの時デザフェスに備えてTwitterを登録してて本当に良かったです。心底良かったです!
テコリーヌの熱い視線から嬉しさ溢れ出ちゃってます。

初日の勇者は以上。少ない?いえいえ!テコリーヌにとってはこの2組のパワーはもう本当に凄かったんですから。海に飛び込まずに済んだのも、横浜中華を食べに行く気持ちの余裕ができたのもこの3人の勇者のお陰なのです。

そして2日目。最初の勇者はS田さん。グンマー帝国からようこそ!そう、彼女は9月の藤岡クラフトで出会った美しきトラック野郎、S田姐さんです。来たよ〜!と元気良く挨拶。あ、国王!久しぶり~!と、もうすっかり親衛隊じゃないですか。嬉しいじゃないですか。Twitterやブログでの予習に加え、ヨコハマのテコリーヌのお品書きもチェックして来たS田さんは2個目のピアスと、最初から狙っていたというポニーフックを購入。更に会場内で見つけた美味しそうなスイーツを買ってきて、国王に「はい、エサ」って(笑)ビバ・グンマー!記念撮影しようって言ったのにまたいつの間にか居なくなってたS田さん、次回こそ撮りましょうね。

それからデザフェス繋がりの奇跡がまたしても発生。初期モデルのチュッパチャプスホルダーを購入してくれたお洒落スキンヘッドの安川さん。この日はテコリーヌのウォレットチェーン1本狙いだと言う、一段と狂った勇者です ( もちろん褒め言葉 ) 。前日のイオコトさんや先のS田さんもそうでしたけど、この狂人達にとってヨコハマの会場はデザフェスやクラフト市とはかけ離れた異世界だと感じたそうです。来るとこ間違えちゃった感は出展者のテコリーヌ側の感覚だけじゃなかった様で、そんなテコリーヌの出展に皆さんを巻き込んでしまってごめんなさい(笑)安川さんに至ってはテコリーヌの知らない面白そうなイベント情報などを色々と教えてくれました。デザフェスのプロであり、その界隈のマニア安川さん、さすがです。
こちらも熱い視線と嬉しさが抑えきれない見つめるアングル。今回のマイブームになってしまいました。

言っておきますが、熱い視線で見つめたのは何も男性にだけではありませんからね。

次に現れた勇者、関東親衛隊のH野さんはこれまたデザフェス以来の再会です。初めてのデザフェスで心細かったテコリーヌに大きな安心感をくれたお姉さん。そして、女性ではテコリーヌのメリケンさんを購入した初の人です。テコリーヌblogを読んでるH野さんだから、欲しいものが無い時は買わない宣言してくれるとは思うけど、欲しいものを見つけてくれました。ネックレスやチョーカーを好んでつけるH野さん、ブースに並んでいるものも、ご本人が既に持っているものも、ほとんどが革紐の作品なのですが、選んでくれたのはテコリーヌが手編みで組んだ鎖のネックレス。これぞテコリーヌ!という感じの。ネックレスの中でも特に手間をかけた作品なので嬉しさもひとしおです!

H野さんはこんな慎ましやかな雰囲気の女性なんですよ。メリケンさんを持ってるなんて思えないですよね(笑)

この時点で午後の3時半くらい。ここでやっと例のお隣さんに群がるお客さんの波が落ち着いてきて、ちょっとお話してみたりすることが出来ました。やっとですよ、やっと。テコリーヌはもうこれで終わりだろうなーって思いながら、もう片方のお隣さんともお話をしてみたり。大阪から来たと言うスタイル抜群の、接客力も抜群のえみちゃんは可愛いらしいリボンのマフラーがバカ売れしてました。そう、彼女もやっぱり本物の売れっ子です。10年も続けていると言うのですから相当な実力者。ハンドメイドで10年て凄い!しかも、このヨコハマは初めての出展だそう。やはりひれ伏すしかないテコリーヌ。えみちゃんとは来月のクリマで再会出来ます。クリマではテコリーヌの本来のイケイケな姿をお見せ出来るでしょうか?今度はひれ伏してもらいたいなあ(笑)

そしていよいよ本当に終わりの時間が近づいて早々と片付けを始めた頃、なんとここで7人目の最後の勇者が登場!ちょっと前に1度見に来たけど、迷っているからまた後で来ますと言っていた初めましてのゆいちゃん。まさか戻って来てくれるなんて思ってなくて、片付け始めちゃってごめんなさいね!迷っていたのはペットボトルホルダーとサンキャッチャーでしたよね?慌ててケースから出して選んでもらいました。そしてゆいちゃんは両方買ってくれたんです。お名前を聞くと「 Nです。あ、でももうすぐ苗字が変わってしまうので…ゆいです。」って。あらやだ、おめでとうございます(^^) どうりでなんだかツヤツヤな美しいオーラを纏っていたわけです。そう聞いたらますます幸せな気持ちになってしまいます。ゆいちゃん、ありがとうございました!次は新しい家族と一緒のゆいちゃんと再会したいですよ。


こうして7人の勇者達に支えられて無事に終えたヨコハマ。ハンドメイド界のパワーと勢いを肌で感じて、笑いあり涙ありの波乱に満ちた遠征でした。携わった皆様、ありがとうございました!

次回は今年最後の出展となるクリエーターズマーケット。丹歩歩のヒロコさんとの合同出展になります。実はこれまでにコラボ作品の打ち合わせなども同時進行で進めながら過ごしてきました。今年の集大成として、あと2週間、最後の実力を出し切ります。これが終わったら少なくともその後5ヶ月は出展がないでしょうから。

名古屋のクリマと言ったらスチームパンク、ゴシック、パンク、他様々なカルチャーアートに溢れた勢いあるイベントです。そんなテコリーヌにふさわしいステージで、ロック全開にぶっ飛ばします。ウォレットチェーンの当たり年と言っても良い今年、クリマでもしっかりチェーンづいちゃいます。ちょっとネタばらしをすると、マニアにはたまらないアルバートチェーンも。アルバートチェーンっていうのは懐中時計用のお洒落と実用を兼ねたチェーンです。野外クラフトやハンドメイドイベントではまず出てこないアイテムですよね。この間のデザフェスには抽選漏れで出展出来なかったぶん、クリマで爆発するんです!

出展名は 「 添加物 」。テコリーヌと丹歩歩が、皆様にとっての最高の添加物になります。コラボ作品のイメージはマッド・マックス。小物を中心に展開します。

ヨコハマでの雪辱もここで一気に晴らします。涙がこぼれるくらいの惨めで悔しい思いはテコリーヌにとって最強の燃料になるのです。

皆様、覚悟を決めて来てください。テコリーヌ、暴れます!