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国王、眼鏡を買いにゆく。


眼鏡ひとすじ30年の私が作業専用に使っている跳ね上げ式の眼鏡を、最近になって国王が急に、それも異常に欲しがるんです。




真鍮カラーで、ちょっぴりスチームパンク風味なこの眼鏡を、夜な夜な貸せと言っては掛けて はしゃぎ、自分には合わないレンズの度数に『 オエェ~ 』となるのを繰り返してまして。

あまりにしつこくて懲りないので、先日、半ば強引にそれを買った眼鏡屋さんに連れて行きました。

が、私のと同じフレームは既に完売で、今後入荷も無いとの事。なんと、 私が買ったのが最後のひとつだったそう。国王ガックリ。それでも諦めたくないのか、私の使っているその眼鏡のフレームに、自分用のレンズを入れ替えて自分のものにしたいと言い出すではないですか。いやいやいや、作業用だけあってフレームも良いものだしお高いレンズだったんですよ。それを無駄にしろと…? と、お店の店主と必死に説得した訳です。

それでも眼鏡が欲しい病の国王は他に素敵なフレームは無いかと散々探して、新しいのを作る事にしたのでした。




そんな訳で自分で選んだ新しい眼鏡の出来上がりを楽しみにしている国王なのですが、まだ未練があるらしく、いまだ狙われている私の眼鏡…。